Unreal Engine 5で制作されたマトリックスのデモ映像。ゲームグラフィックはどこまで進化するのか

ハードウェア

とうとうゲームのグラフィックは次のステージへ。
きましたよ、これ!
EPIC GAMESがリリースするUnreal Engine 5によるマトリックスのデモ映像(The Matrix Awakens: An Unreal Engine 5 Experience)が公開されていますが、パッと見ゲームなの?映画なの?って感じで脳がバグります。

これまでに何度となく繰り返されてきた「まるで実写だ!」の表現。
使い古されて古典的な表現なのですが、デモ映像を見たときには思わず叫んでしまいました。
「実写やん!」

Unreal Engine JP You Tubeアカウントより

まるで映画。ゲームとは思えない、とても自然で違和感の無い映像。
人物の動きもスムーズで、背景の街並みから行き交う人々まで、これまでのゲームの域を超えた映像美には目を奪われました。
ちなみに冒頭の技術説明で”ネオ”ことキアヌ・リーブスと”トリニティ”のキャリー・アン・モスが登場しますが、こちらは本物とCGを交互に登場させているとのこと。
どちらが本物でCGが見分けがつきますか?

さらにこの映像はリアルタイムでPlayStation 5、XBOX SERIES X/Sで動作可能。
以下からダウンロードページへアクセス可能です。

物理エンジンでリアルタイムに演算。同じクラッシュはしない

車両、キャラクターの服、建物やオブジェクトの破壊の動きは全てUnreal Engine内のChaos物理エンジンで処理されています。
動画内にカーチェイスシーンが登場し車両がクラッシュしますが、こちらもChaos物理エンジンによりリアルタイムでシミュレート。
同じクラッシュが起こることはなく、破損箇所・角度・速度などを演算し毎回異なるクラッシュが表現されます。

フィールドは16平方キロメール。
この範囲を自由に行動することができ、その中でAIの住人たちは規則正しくも意思を持った行動を取ります。
驚くべきはその密度。

都市は700万個のインスタンス化アセットから構成され、それぞれに数百万のポリゴンが含まれています。7000 個の建物(数千のモジュラー部品から構成)、駐車中の車は 45,073 台(38,146 台が運転可能)、260 km 以上の道路、512 km の歩道、1,248 個の交差点、27,248 個の信号、12,422 個のマンホールがあります。Nanite はスマートにこれらの数十億のポリゴンをストリーミングし処理し、超高速に、すべてを映画品質にレンダリングします。

unrealengine.comThe Matrix Awakens: An Unreal Engine 5 Experienceのご紹介より

※NaniteとはUnreal Engine 5で利用可能になった仮想化マイクロポリゴンジオメトリ。数億、あるいは数十億ポリゴンの映画品質のソースアートであっても Unreal Engine に直接インポートできるようになる。

通常、広大なフィールドで表現されたゲームは密度が低く、どこかスカスカな印象がありました。
しかしEPIC GAMESの説明を読み動画を見る限り、そのイメージはありません。
どこまでも丁寧に緻密に表現された世界が広がり、ゲームグラフィックの大きな進化を感じます。

実際にPlayStation 5でプレイしている様子。RACE CRASH You Tubeアカウントより

グラフィック進化の停滞を感じていたが、ここにきてやっと動き出した

初代PlayStationからPlayStation 2にハードが進化した時にも、まるで実写と叫ばれました。
さらにPlayStation 3になってからは、表現に磨きがかかりフルHD出力も可能に。
より一層、緻密な表現が可能となり、前世代機から大幅な進化を果たしました。

ただ、PlayStation 3からPlayStation 4の場合はそこまでの進化は感じられなかった、なんて方もいるのではないでしょうか。
実際、PlayStation 4ではフルHD解像度のゲームが主流となり、PlayStation 4 Proでは4K出力も可能に。
順当に進化してはいるのですが、目に見えて前世代機からの大幅向上はなく、肩透かし感はあったと思います。
これまでが大幅に進化してきただけあって、余計にPlayStation 3からPlayStation 4の進化が小幅に感じたのかもしれません。

PlayStation 4からPlayStation 5でもグラフィックの進化は小幅感があります。
当然、ハードウェアのスペックが大幅に向上しているのでグラフィックも大幅に進化して良さそうなのですが、いわゆる「縦マルチ」なソフト展開が足枷になっています。

新作ゲームをリリースすると、対応ハードはPlayStation 4とPlayStation 5。
どちらのハードでも新作ゲームをプレイできます。
よって、ゲームソフト側はPlayStation 4でもPlayStation 5でも動作するように作る必要があります。
ハードウェアの性能が異なるので、どちらかに偏った作りにするわけにはいきません。
結果、両ハードに動作対応させるとグラフィックやパフォーマンス面で妥協しなければいけないのです。

しかし、ここにきてPlayStation 5、XBOX SERIES X/SでUnreal Engine 5が動作するとなると、デモ動画のようなクオリティのゲームが近い将来登場します。
次世代機の本領発揮ですね。

いつごろUnreal Engine 5を利用したゲームが登場するのか

2022年2月現在、EPIC GAMESよりUnreal Engine 5はリリースされていません。
公式発表ではフルリリースを2022年初頭と予定しているため、開発環境としてはもうすぐリリースされると思います。
ただ、それを使い開発されたゲームがリリースされるのは、もう少し後になりそうです。
ゲームソフトの開発は時間を要するので、Unreal Engine 5で制作されたゲームがリリースされるのは早くても2024年になるかと思います。

Unreal Engine 5のFAQに、

私はゲーム開発者で、プロジェクトを開発中です。UE5早期アクセスの使用は私に合っていますか?

UE5 早期アクセスは次世代ゲーム開発に向けた素晴らしい新機能の一部を試す最初のチャンスを提供します。ただし、これは実制作に適したバージョンではありません。そのため、新機能のテスト、新しい可能性の検証、将来の次世代機ゲームのプロトタイプといった用途に対してのみ使用を推奨しています。既にゲームを開発中である場合は、引き続き Unreal Engine 4.26 をご使用ください。

https://www.unrealengine.com/ja/unreal-engine-5

このように、現段階のUnreal Engine 5は早期リリースなのでゲームの実制作に適したバージョンではありません。
また、後方互換もありUnreal Engine 4で開発しているタイトルはUnreal Engine 5でも開くことができるようですが、やはり最初からUnreal Engine 5で開発しないとフルに性能を引き出すのは難しいでしょう。

グラフィックはもう十分?いいえ、まだまだ進化してもらわないと困ります

ここにきて聞こえてきそうなのが、「グラフィックはもう十分」「グラフィックよりもゲーム性を高く、面白いソフトを作って!」といった声。
もちろん、ゲーム制作ですからゲームとしての面白さは最重要です。
いくらグラフィックが綺麗でも、ゲーム性がなければただの動かせる映画ですからね。

ただ、グラフィックがチープであれば没入感が損なわれるのも事実。
引き込まれるようなグラフィックとゲーム性の両立が重要です。
もちろん、そんなことは皆さん承知の上で、それを実現するのに苦労しているわけですが。

数十年後の未来のゲームって、どんなグラフィックなんでしょうか。
このレベルの映像がリアルタイムでレダリングされ、8K/240fpsで動いていたりするんでしょうか。
いやむしろ16Kまで行っているのかも。仮想空間の表現も楽しみですね。

グラフィック好きの1人として、これからもゲームグラフィックの進化から目が離せません。

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