ついにきたっ…!!!
2025年6月5日、ついに新型Nintendo Switch 2が発売!
ちなみに当編集部でも抽選に応募していましたが、見事に連続落選。
落選メールが届くたびに、仕事を放りだして帰宅したくなります。
様々なメディアで話題になっているSwitch2ですが、発売と同時に早速「分解レポート」がアップされています。
「中身はどうなってんの?」と我々のようなガジェットマニアには興味津々の内容。
中でもひときわ気になる存在が、Switch 2のメインチップに刻まれた『GMLX30-A1』という謎めいた型番。
Switch2には継続してTegraが採用されると噂されていましたが、はたしてこれがそのTegraなんでしょうか。
今回は、Switch 2の「心臓部」ともいえるこのチップ刻印に注目!
単なるスペック解説は一旦置いておいて、その裏にある半導体製造のストーリーや業界の背景も交えながら、Tegraについて深~く掘り下げていきたいと思います。
「GMLX30-A1」──この謎の刻印は何なのか…。TechMuddy流にご紹介します。
GMLX30-A1の正体。これがSwitch2に搭載のTegraなのか?
分解レポートを見ていると、Switch 2のメイン基板のど真ん中に堂々と鎮座しているのが「GMLX30-A1」という謎めいた刻印のチップ。
この「GMLX30-A1」。これがTegra?

色々と調べてみましたが、「GMLX30-A1」はNVIDIA製のカスタムSoC(System on Chip)で、コードネーム「Tegra T239」と呼ばれる新型チップのパッケージ型番である可能性大。
Tegraシリーズは初代SwitchやJetson(組み込み向けボード)でもおなじみのNVIDIA製プロセッサー。
今回のSwitch 2にも、やはりTegraが脈々と受け継がれているようです。
ちなみに「T239」というのはNVIDIA社内の開発コード。
チップ上に物理的に刻まれている「GMLX30-A1」は、いわば「製品版」として管理されるラベル、SKUやマーキングIDと呼ばれるものです。
たとえば、Switch初代のTegra X1(Erista)なら「UDNX02-A2」、X1+(Mariko)なら「ODNX10-A1」など、それぞれ型番が異なっています。
チップ名(通称) | コードネーム | パッケージマーキング |
---|---|---|
Tegra X1 | Erista | UDNX02-A2 など |
Tegra X1+ | Mariko | ODNX10-A1 |
Tegra T239 | Drake | GMLX30-A1 |
また、SNSでは「GMLX30-A1=T239」という直接的な証拠を探そうとするネット探偵も多くいますが、分解記事・半導体業界の通例・複数のリーク情報などをつき合わせると、Switch 2の『GMLX30-A1』=Tegra T239でほぼ間違いなさそうです。
コードネームと製品マーキングが一致しないのはNVIDIAあるある。というより業界あるある。
初見だと「T239って書いてないけど大丈夫!?」と心配になりそうですが、チップの世界では「中身と名前が一致しない」のはよくある話。
分解マニア界隈では、この型番から裏事情を読み解くのも楽しみのひとつだったりします。
刻印から読み解く。製造元と流通工程
Switch 2に搭載されているGMLX30-A1チップ、「どこで」「どうやって」作られているのか――この裏事情もかなり面白そうです。
チップ本体には「S TW 2442A1」なんていう一見謎の暗号のような刻印。

おそらくですが、「S」はSamsung(サムスン)製造、「TW」は台湾(Taiwan)でパッケージング、そして「2442A1」は「2024年42週(10月中旬)」に作られたA1リビジョン、であると推測できます。
サムスンが韓国(もしくは米国)で半導体ウェハーを製造し、その後台湾の後工程工場(ASEやSPILなど)でパッケージングやテストが行われている、というのが業界筋の定番ストーリー。
最後は中国の工場でSwitch 2本体へと組み込まれていく――もはやグローバルサプライチェーンの縮図です。
ちなみになぜTSMCじゃなくサムスンなのか?という点に疑問に持つ方もいるかと思いますが、NVIDIAとTSMCの生産キャパやコスト問題、サムスンとの長期取引の歴史など、様々な事情が考えられます。
一番大きな理由は調達コストではないでしょうか…。やはり最新ゲーム機とはいえ、家庭用かつ比較的キッズ層狙いのハードウェア。
価格に影響しそうな要因は、できるだけカットしたいという任天堂側の思惑もあると思います。
この一連の流れを知っていると、「Switch 2の箱を開けるだけで世界のサプライチェーンを旅した気分」になれるかもしれませんね!
チップ1個でこれだけドラマが詰まっているなんて、ガジェオタ冥利に尽きます。
現在出荷されているNintendo Switch2には、GMLX30-A1(初期ロット)の2024年42週(10月中旬)製造チップが搭載されている可能性が高い
Switch2のチップ刻印――正直、普通に遊ぶだけならまったく気にしなくてもOKな細かい話。
でも、なぜか気になる。なぜか知りたくなる。
それがガジェット好きの性(さが)ですよね。
最初は「GMLX30-A1」が「本当にTegraか?」と調べていたのですが、「これロットか?」「製造いつやろ…」とついつい深堀りしてしまいました。刻印から製造週やリビジョンが分かるので、「自分のSwitch 2は初期ロット?後期ロット?」といった「コレクター心」もくすぐられるわけです。
さらに、「どこで作られて、どんなサプライチェーンを経てきたのか?」を知ることで、1台のゲーム機の向こう側に世界中の工場や人の努力、さらに今後の展開や任天堂の思惑までが見えてくる…。
この「ストーリー性」も、たまらない魅力です。
チップ型番の違いから、たとえば「後期ロットは微妙に消費電力が低い」「リビジョンで発熱対策が強化されている」なんていう「マニア向けネタ」も生まれがち。ネットで「◯◯ロットのSwitch 2は当たり!」みたいな話題で盛り上がる?かもしれません。
ガジェット好きにとっては、こういうディープな「豆知識」こそが最高のスパイス。
ゲームそっちのけで分解したくなる人が出るのも納得です。
ここまでSwitch 2の「GMLX30-A1」チップ刻印について、どっぷり深掘りしてきました。
正直、ゲームを楽しむだけならまったく知らなくても困らない小ネタですが、こういう裏話やこだわりポイントこそニッチな層に刺さったりします。
Switch 2の心臓部であるGMLX30-A1は、単なる高性能プロセッサというだけでなく、世界中のサプライチェーンやメーカーの思惑、そして技術オタクたちの「楽しみ」がギュッと詰まった存在。
ふだん見えない半導体の世界や製造ロマン、そして「自分のSwitch 2はどのロット?」なんて楽しみ方までできてしまう。こんな視点でゲーム機を眺めてみるのも良いのかもしれませんね。