ChatGPTをはじめとする対話型のAIの進化には目を見張るものがありますが、何でもかんでもAIに話をするのは少し考えものかもしれません。
プライベートでディープな会話を楽しむほど、あなたの個人的な情報や趣味嗜好が収集されているかもしれないのです。
「相手は人間ではない」安心感が余計なプライベートまで話してしまう
例えば親しい友人や家族であっても、自分の本当のプライベートな部分や悩みは相談しにくいものです。
お金の話・異性関係・コンプレックス・ストレスや悩みなど。
そんな場合、大抵の人が自宅のPCやスマートフォンで解決策を検索します。
そこで表示された結果のページを見て、例えば弁護士や医者に相談する、といった流れが普通かと思います。
もちろんログインしていれば自分のアカウントに検索履歴が残ったり、検索したものと関連する広告が表示されたりがありますが、大抵はそこまで。
それ以上のディープな話は人間(この場合は専門家や医者)などに相談することとなり、ネットワーク上に乗ることはありません。
AIが相手だと何でも話してしまう傾向に
対人であれば羞恥心があるのか、なかなか全てをさらけ出すことは難しいです。
しかしそれがAI相手だったらどうでしょうか。
何でも質問することができるし、普段は口にしないような言葉だって遠慮なくキーボードに打ち込むことができます。
実際はそうではないのに、プライベートが保たれた空間のように感じ、ついつい気を許してしまうのでしょう。
普段は大人しい人が車を運転するときだけ荒々しくなることがありますが、それも「車」という密閉された特殊な状況だから起こりやすいといわれています。
AIは具体的な解決策を生成してくれるので、ディープな会話に発展しやすい
AIはその特性上、具体的な回答を生成してくれます。
検索エンジンであれば検索に対して適切なウェブサイトが表示されるだけなのですが、「対話型AI」はそうではありません。
悩みや解決策に対して具体的な回答をすることにより、人間側はさらに詳細な悩みや解決策を望むようになります。
相手は人間ではなくロボット。誰にもバレることなく安心して相談できている。
果たして本当にそうなのでしょうか?
その会話、本当にプライベートが保たれていますか?
AIと会話するにはスマートフォンやパソコンなど、何らかのデバイスが必要です。
またネットワークに接続されている必要があり、AI側からの回答もネットワークを通して返されます。
AIとのやり取りは基本的にネットワークを経由して行われるため、完全に閉鎖されたプライベートな空間で行われているわけではありません。
あなたが相談したプライベートな内容も知られたくない秘密も、すべてネットワーク越しで行われています。
AIはディープな個人情報の収集マシンとなり得る
あなたが行った質問やプライベートな相談内容がAIの学習のために利用されているとしたら、またはアカウントと紐付けられて個人の悩みや趣味趣向を把握されてしまったら。
これまでの検索エンジンで収集していた情報と比較にならない程、ディープで濃い情報を収集することができます。
丸裸にされているのと変わりなく、プライベートもへったくれもありません。
マーケティングに利用する企業も現れるでしょうし、情報の売買もより活発になるかもしれません。
もちろん、そうならないように法整備やプライバシーポリシーが確立されていくでしょうが、必ず守られるとも限りません。
AIはとても便利で人間の生活を豊かにしてくれると思いますが、頼りすぎるのも考えものだな…なんて思います。
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