PlayStation 5 Proに搭載されているPSSRのアップスケーリング技術は他を凌駕するのか?PS5 Proの技術力を考察

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PlayStation 5 Pro(PS5 Pro)の話題となっている技術の一つが、ソニーの新しいアップスケーリング技術「PlayStation Spectral Super Resolution (PSSR)」。
これはAIベースのアップスケーリング技術で、より高い解像度とフレームレートを少ないコストで実現することを目指しています。
通常版のPS5には搭載されず、PS5 Pro限定の本機能。
Proモデルを購入する方は性能面を重視する傾向にあり、やはり自分が購入したマシンの性能は気になるんじゃないでしょうか。

NVIDIAのDLSS(Deep Learning Super Sampling)やAMDのFSR(FidelityFX Super Resolution)と比べて、このPSSRはどの程度なの?どう優れているの?
本記事では、各技術の特長と利点、そして今後の進化について掘り下げてご紹介しています。

PSSRの特徴と利点

PS5 Proに搭載されるPSSRは、ソニーが開発したコンソール初のAIベースのアップスケーリング技術。
この技術は、AMD製GPUのAIハードウェアを活用し、4K/120fps、場合によっては8Kの解像度を実現することを目指しています。
特に影、深度、肌や髪のテクスチャの精細度が向上し、より没入感のあるビジュアル体験を提供します。

PSSRは当然PS5 Proに最適化された技術で、パフォーマンスとビジュアルのバランスが取れています。
機械学習用のカスタムハードウェアを搭載しているとされていますが、コストや制約の関係上、後述するNVIDIAのDLSSほどのパフォーマンスか?と言われればそうではありません。
基本的にアクセラレータにはAMDのRDNA 3で導入された「AI Accelerator」を採用しているとされ、それをPS5 Pro向けにチューニングしたもの、と予測されています。
公式から詳細な技術仕様が公開されていないので憶測になってしまいますが、それでも今後のアップデートで更なる向上が期待されます。

PSSRの性能評価

パフォーマンス: ★★★☆☆
画像の鮮明度: ★★★★☆
AI利用の高度さ: ★★★☆☆
今後の進化の可能性: ★★★★☆

NVIDIA DLSSとの比較

DLSSは、特にTensorコアを活用した高度なAIアップスケーリング技術であり、NVIDIAのRTXシリーズのGPUに搭載されています。
DLSS 3ではフレーム生成技術が追加されており、ゲームのフレームレートを劇的に向上させることができます。
この技術により、4K解像度でのゲームプレイでも高いパフォーマンスを維持できる点が大きな利点です。

GPUの種類(RTX 2000シリーズや3000シリーズ)によりTensorコア数が異なりパフォーマンスは上下しますが、やはり高性能専用ハードでの処理は非常に強力。
昨今のPCゲームには不可欠と言っても過言ではなく、特に高解像度でのゲームプレイ時にその性能が発揮されます。

DLSSの性能評価

パフォーマンス: ★★★★★
画像の鮮明度: ★★★★★
AI利用の高度さ: ★★★★★
今後の進化の可能性: ★★★★★

ちなみに余談ですがNintendo Switchも次世代機ではDLSSを採用するのでは?と噂されており、本体のスペック不足分をDLSSで補完してくるかもしれません。

AMD FSRとの比較

AMDのFSRは広範なGPUに対応しており、NVIDIAやAMDを問わず利用できるのが特徴です。
特にFSR 3では、パフォーマンスと画像品質のバランスを保ちながら、フレームレートを向上させることが可能です。
数多くのゲームが対応しており、例えば「Ghost of Tsushima」「Forspoken」「Spider-Man MILES MORALES」「HORIZON」など。
ほぼすべてのハードウェアで動作します。

DLSSと違って制約が少なくパフォーマンスを向上させることのできる、優れた技術です。
恐らくですが前述したPSSRもこのFSRをベースとしており、共通部分が多くあるのでは?と予想されています。

FSRの性能評価

パフォーマンス: ★★★★☆
画像の鮮明度: ★★★★☆
AI利用の高度さ: ★★★☆☆
今後の進化の可能性: ★★★★★

アップスケーリング技術の利点

ちなみに何故、各社アップスケーリング技術を開発したり採用しているの?と疑問に思ったことはないでしょうか。
特にここ最近はよく「アップスケーリング云々~」とよく耳にします。
後述しますが一番はコストの問題。
ネイティブに4K/120fpsを出せるハードウェアは存在しますが、正直高額。
ゲーミングPCならまだしも、家庭用ゲームで25~30万円なんて誰も欲しがらないでしょう。

高額なゲーミングPCならネイティブ出力も可能ではあるが…金額を考えると誰もが購入出来るものではない。

価格と性能は比例するので、低価格であるほど性能も控えめ。
性能が控えめ、ということは高画質で出力するのが難しい(出来るケースもあるが処理に時間がかかりゲームとして成り立たない)。
そこで活躍するのがアップスケーリング技術。
ゲーム機は負荷の少ない低画質でゲーム画面を出力し、それをアップスケーリングして2Kや4Kに変換します。
高性能パーツを使わなくてよいので部品代も安く、手の届きやすい価格でゲーム機を販売することが可能となります。

1. ハードウェア負荷の軽減

アップスケーリング技術はゲームを低解像度でレンダリングし、その後に高解像度に変換します。
これにより、GPUの負荷が大幅に軽減されます。
特に高解像度のゲームではレンダリングにかかるリソースが非常に大きいため、この技術を使うことでハードウェアの寿命を延ばしつつ、パフォーマンスを維持することが可能です

左は低解像度、右がアップスケーリングによる高解像度。GPUは低解像度で出力できるので、負荷が大幅に軽減できる。

2. フレームレートの向上

レンダリング負荷を軽減することで、フレームレートの向上も期待できます。
例えば、4K解像度で直接レンダリングする代わりに1440pや1080pでレンダリングし、AIを活用して4Kにアップスケーリングすることで、滑らかなフレームレートが実現できます。
このようにして、ゲーム体験がより快適になるというメリットがあります。

3. ビジュアルの向上

アップスケーリング技術は、単に解像度を引き上げるだけでなく、AIやアルゴリズムによってビジュアルの鮮明度やディテールが向上します。
特にAIベースの技術(DLSSやFSR)は、フレーム間の予測を行い、ノイズやブレを軽減しながら高解像度でのゲーム体験を提供します。

4. コスト効率の向上

アップスケーリング技術を使用することで、最新の高性能GPUを必ずしも必要とせず、ミドルレンジのGPUでも高解像度かつ高品質なゲームを楽しむことが可能です。
メーカーは販売しやすい価格で売ることができ、ユーザーは本体の購入コストを抑えながら最新ゲームを最大限に楽しむことができるようになります。

結論:DLSSには及ばないが、PSSRはコストと性能を両立したバランスの良いアップスケーリング技術

PlayStation 5 Proに搭載されたPSSRは、コンソール向けに最適化された優れた技術です。
ハードウェアの負荷を抑えながらも高いビジュアルクオリティを提供し、PS5 Proのパフォーマンスを最大限に引き出します。
コストの関係上、パフォーマンスにも制約があると思いますが、今後のアップデートや技術進化に期待しましょう。

PSSRの性能は未知数な部分もありますが、コンソール初の専用アップスケーリング技術。
これだけれもPS5 Pro購入の決め手にしていいと思います。
4Kや8Kテレビに買い替えた場合でもPS5 Proはその性能をフルに発揮してくれます。
最新のゲーム機がテレビの性能に足を引っ張られる…なんて悲しい話だからですね。

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※本記事内の動画はPlayStation JapanのYouTubeアカウントNVIDIA GeForceのYouTubeアカウントAMD GamingのYouTubeアカウントより動画を掲載しています。

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