Adobe Creative Cloudのファイル同期機能が終了してしまったことで、「え、知らなかった!」「同期できないけど、なんで?」と驚かれた方もいるはず。ちなみに筆者もその一人。
便利だったんですけどね~…ファイル同期機能。
この記事では、Adobeの公式情報をもとに、ファイル同期機能の終了について詳しく解説し、代替となるクラウドストレージサービスもご紹介します。
Adobe Creative Cloudのファイル同期機能とは?
まず、ファイル同期機能についておさらいしましょう。
Adobe Creative Cloudでは、ローカルデバイス上の「Creative Cloud Files」フォルダーにファイルを保存すると、その内容がクラウドストレージと自動的に同期され、他のデバイスやユーザーと共有できる仕組みでした。
これにより、複数のデバイス間でのファイルアクセスや共同作業がスムーズに行われていました。
しかし、Adobeは、Creative Cloudのストレージエクスペリエンス向上のため、ファイル同期機能の提供を終了することを決定しました。

- 個人ユーザー向け:2024年2月1日をもって、Creative Cloud 同期済みファイルの提供が終了します。
- ビジネスプラン(グループ版・エンタープライズ版)向け:当初2024年10月1日に終了予定でしたが、2025年2月3日まで延長されました。
ストレージ容量も大きく、どんなファイルでも同期できる便利なサービスだったのですが、Adobeは何がお気に召さなかったのでしょうか…。Adobe CCの年間利用料も高いのに(怒)。
終了による影響と注意したいこと
ファイル同期機能の終了に伴い、以下のサービスが利用できなくなりました。
- ローカルの「Creative Cloud Files」フォルダー内のファイルはクラウドと同期されなくなる:これまで自動的にクラウドと同期されていたファイルが、今後は同期されません。
- 共有機能の停止:他のユーザーと共有していたファイルやフォルダーへのアクセスができなくなります。
- クラウド上のデータ削除:削除されます…。クラウド上にのみ存在するファイルがある場合は、事前にローカルにダウンロードしておくことを強くお勧めします。
特に、クラウド上にのみ存在するファイルがある場合は、事前にローカルにダウンロードしておくことを強くお勧めします。
Adobeもダウンロード機能を提供しているので、そのままにしていると2025年3月4日以降に削除されてしまいます。
残されるサービスは?
終了するのはファイル同期機能のみで、以下のクラウドサービスは継続・サポートされます。
- クラウドドキュメント:PhotoshopやIllustratorなどのアプリで、クラウド上に直接ファイルを保存し、デバイス間でシームレスにアクセスできます。
- Creative Cloudライブラリ:デザイン要素やアセットを整理・共有し、チーム間での共同作業を円滑にします。
- Frame.io:ビデオや画像、PDFなどのファイルをウェブやモバイルで共有・レビュー・承認するためのプラットフォームです。
普段からaiやpsdファイルのみの共有であれば影響は少ないのですが、例えばzipや7zでデータをやり取りしている方には痛いですね。まさにTechMuddyはこのパターンでした。
Adobe CCの代わりになるクラウドストレージサービス
ということで、代替となるクラウドストレージサービスに移行する、なんて方も多いでしょう。
代表的なクラウドストレージサービスをいくつかご紹介します。
Dropbox(ドロップボックス)
特徴
- PCやスマホのフォルダを自動でクラウドと同期
- ファイルのバージョン管理が強力(過去のデータも復元可能)
- 無料プランは2GBまで(有料プランで2TB~)
おすすめポイント
- Adobe製品との連携がしやすい
- フォルダごとの同期が可能で、Adobe CCの同期と似た使い勝手
- 共有リンク機能が充実していて、クライアントとのファイル受け渡しもスムーズ
こんな人におすすめ
- シンプルで使いやすいサービスを探している
- クラウド上のファイルを他の人と共有したい
Google Drive(グーグルドライブ)
特徴
- 無料で15GBの大容量(Googleアカウントと共用)
- Googleドキュメントやスプレッドシートと統合されている
- PCとフォルダを同期できる「Google Drive for Desktop」が便利
おすすめポイント
- 無料で大容量!個人ユーザーには十分すぎる
- ファイルをクラウド上で直接編集できる(OfficeやPDFもOK)
- Adobeのファイルも保存できるが、フォトショップやイラレのプレビューには非対応
こんな人におすすめ
- 無料で大容量のストレージを探している
- Google系のサービス(Gmail、スプレッドシートなど)と連携したい
OneDrive(ワンドライブ)
特徴
- 無料で5GBのストレージを提供(Microsoft 365契約者は1TB!)
- Windows PCとの相性が抜群(エクスプローラーに統合される)
- リアルタイム共同編集が可能(Word、Excel、PowerPoint)
おすすめポイント
- Windowsユーザーには最適解!デスクトップやドキュメントフォルダも自動バックアップできる
- Adobe製品のデータも問題なく保存&同期可能
- Macでも動作するが、ややWindows向けの機能が多め
こんな人におすすめ
- Windows PCをメインで使っている
- Office系のファイルと一緒に管理したい
iCloud Drive(アイクラウドドライブ)
特徴
- Mac・iPhone・iPadとの親和性が高い(デフォルトで統合されている)
- 無料で5GBのストレージを提供(有料プランは50GB~)
- Windows版アプリもあり、PCとの同期も可能
おすすめポイント
- Apple製品ユーザーにはこれ一択!
- Finderに統合されており、ローカルとクラウドの管理がスムーズ
- ファイルの共有も可能だが、他のクラウドよりはシンプルな作り
こんな人におすすめ
- Mac・iPhone・iPadを使っている
- Appleエコシステムの中で管理したい.
Creative Cloud Libraries(クリエイティブクラウド ライブラリ)
特徴
- PhotoshopやIllustratorなどのアセットをクラウドで管理できる
- チームでデザイン素材を共有しやすい
- ただし、ファイル同期機能とは異なり、ファイル全体のバックアップには向いていない
おすすめポイント
- Adobe製品を使うなら、これを活用すると便利!
- フォント、カラー、画像素材などを一元管理できる
- ただし、一般的なクラウドストレージとは異なり、ファイルそのものの保存には不向き
こんな人におすすめ
- Adobe製品で作業しているが、アセット管理を強化したい
- 素材やAdobe拡張子のファイルをチームと共有したい
楽天ドライブ(Rakuten Drive)
特徴
- 無料プランは10GBまで利用可能(各種条件あり)
- 楽天ポイントが貯まる/使える
- 日本国内でのデータ管理に強み
おすすめポイント
- 日本企業が提供するクラウドストレージで安心感がある
- 楽天ポイントを貯めたり使ったりできるため、楽天経済圏の人にとってお得
- 低コストで利用可能なプランがあり、個人ユーザーにも優しい
こんな人におすすめ
- 日本国内のクラウドストレージを使いたい
- 楽天経済圏のユーザー/ポイントを活用したい
- 無料で比較的多めのストレージを利用したい
それぞれの特徴と比較表
サービス名 | 無料ストレージ | フォルダ同期 | Adobeとの相性 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
Dropbox | 2GB | ◎ | ○ | シンプルで使いやすい |
Google Drive | 15GB | ○ | △ | 無料で大容量、Googleサービスと統合 |
OneDrive | 5GB | ◎ | ○ | Windowsと親和性が高い |
iCloud Drive | 5GB | ○ | △ | Mac・iPhoneに最適 |
楽天ドライブ | 10GB | ○ | △ | 日本国内向け、楽天経済圏でお得 |
Creative Cloud Libraries | 100GB~ | × | ◎ | Adobe製品向けのアセット管理 |
「とにかく無料で、大容量で使いたい」 → Google Drive(15GB無料!)
「Adobe製品と似た使い勝手」 → Dropbox or OneDrive
「10GBの国産ストレージ/楽天経済圏のユーザー」 → 楽天ドライブ
「MacやiPhoneと連携したい」 → iCloud Drive
「ファイル同期は不要。チームでデザイン素材を共有したい」 → Creative Cloud Libraries
本当にAdobe CCのファイル同期は便利だったので、いつか復活してくれないかな~とも思っています。
同期も早かったし、容量も十分すぎました。しかし、サービス終了した以上は仕方ないですね。
Adobe CCのファイル同期機能がなくなっても、代わりになるクラウドストレージはたくさんあります。
特に Dropbox、Google Drive、OneDrive あたりは使い勝手も良き。
作業スタイルに合ったクラウドサービスを見つけて、快適にデータを管理していきましょう!
※本記事内の画像はアドビ公式サイトよりスクリーンショットを掲載しています。