トヨタ、自動運転のスープラでドリフト。障害物を避けながら自律的にドリフトする車両のプログラミングに成功

モビリティ

これCGじゃないの?
違います、マジです。

自動運転という言葉が一般にも浸透してきた今日此頃。動画やメディアで自動運転の様子を見る機会も増えてきました。
イベントやニュースでも自動運転という言葉を耳にし、高速道路や障害物のある専用コースを器用に走る自動運転車もチラホラ。
自動でステアリングがクルクル回り、ゆっくり走りピタッと止まる姿には未来を感じます。

しかし、そんな自動運転のイメージを覆す動画をトヨタ・リサーチ・インスティチュート(TRI)が公開しました。

派手にカラーリングされたスープラ。それに乗車しているドライバー。
おもむろに手を離すと、センターコンソール付近の謎のスイッチをON。
そのままスープラは走り出し、華麗にドリフトをキメながら走り続けます。

ステアリングは自動でクルクル回り、ドライバーは一切手を触れていません。
一瞬だけチラッと映るサイドブレーキも自動で引かれ、また元の位置へ。

これまでの常識をぶっ壊すかのようなインパクト抜群の動画。
自動運転ドリフトって、何てパワーワードなんだ。
頭おかC。

なぜ自動運転でドリフト?

もちろん、おふざけで自動運転ドリフト車両を開発したわけではありません。
TRIによると危険回避や安全運転に活用するため、とのこと。

Toyota Research Institute (TRI) has successfully programmed a vehicle to autonomously drift around obstacles on a closed track, providing a glimpse into the future of safer mobility for all.

Combining a deep knowledge of both vehicle dynamics and control design, TRI’s Nonlinear Model Predictive Control (NMPC) approach extends the vehicle’s operational domain to the very limits of its performance. The idea behind this research is to utilize controlled, autonomous drifting to avoid accidents by navigating sudden obstacles or hazardous road conditions like black ice.

https://www.youtube.com/watch?v=MfU5_gzqPaM
【DeepLによる機械翻訳】
トヨタ・リサーチ・インスティチュート(TRI)は、閉じたコース上で障害物を回避しながら自律走行する車両のプログラミングに成功し、より安全なモビリティの未来を垣間見ることができました。

TRIの非線形モデル予測制御(NMPC)は、車両ダイナミクスと制御設計の両方の深い知識を組み合わせ、車両の動作領域を性能の限界まで拡張するものです。この研究の背後にあるアイデアは、突然の障害物やブラックアイスのような危険な道路状況をナビゲートすることによって事故を回避するために、制御された自律的なドリフトを活用することです。

車両の制御やそれに伴う技術の蓄積、また突発的なトラブルや事故を少ないリスクで緊急回避するためのようです。
確かに突然のアイスバーンでリアが流れたり、もしくは「ドリフトじゃなきゃ回避できねぇ!」なんて状況の時には役立つかもしれません。
※そんな状況は一生に一度あるかないか、ですが

何にせよ、こういった実験やテストで蓄積されるノウハウは計り知れないものと想像します。
車両の極限状態をシステムで管理し、ドライバーを補助するシステムって頼もしいと思いませんか?
もちろん車両を責任持ってコントロールするのは人間なのですが、それでも突発的なトラブルへの対処は限界があります。
そこに最後の砦としてこういったシステムがあると、被害の軽減にも繋がるかもしれませんね。

動画のフルバージョンは公式サイトとYouTubeで公開

ちなみに動画のフルバージョンはYouTubeで公開されています。
途中で某アニメっぽく「自動制御中」とディスプレイに日本語表示されるのもカッコいい!

ところでコースのライン(タイヤのブラックマーク)がほぼ一定なのが個人的に気になりました。
これって、何度も同じラインをトレースして走っていることになるのですが、そこまで安定したシステムなのか…。
人間であれば同じラインを走行しているつもりでも外したり、操作ミスでドリフトに失敗したり同じアングルを何周も再現するのは難しいと思うのです。

今回公開されたシステムはまだ開発段階であり、これから更にブラッシュアップされていくと思うですが、この時点でこの完成度。
ホントに頭おかC(最大限のほめ言葉)です。

TRI公式サイトでは、更に詳しく本システムについて公開されています。

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