2024年11月7日にPS5 Proが発売されます。
が、お値段なんと11万9,980円。
為替や原価向上の影響もあると思いますが、なかなかの高額。
TechMuddy的予想は日本円で90,000円前後、高くても99,800円程度で収まるかと思っていましたが大幅に超えてきました。
さすがProの名は伊達じゃないです。
過去記事のPS5 Proスペック予測では60,000円前後で予測していましたが、当時は今よりも大幅に円高。
為替の影響って怖いですね…。
こうなってくると聞こえてくるのが「PS5 Pro買うくらいならゲーミングPCで良くね?」といった声。
実際、周囲や編集部内からもチラホラ聞こえており、どうせ10万超えるならゲーム以外のこともできるゲーミングPCでしょ、といった雰囲気になっています。
がしかし、本当にそうなんでしょうか?
今回は「PS5 ProとゲーミングPC、どっちがお得で機能面やコスパに優れているのか?」を徹底分析します。
PS5 Pro vs ゲーミングPC:11万9,980円のコストパフォーマンスを考える
まずはPS5 Proを選ぶという選択肢から。
同スペック程度のゲーミングPC購入すると仮定して、それぞれ比較していきます。
PS5 Proの選択肢
初期投資が抑えられる
意外かもしれませんが、まずこれが大きなメリットになります。
PS5 Proと同スペックのゲーミングPCを購入または組む場合は11万9,980円で抑えることは難しく、ほぼ確実にその価格を超えてきます。
またPS5 Proには専用のコントローラーが付属しており、別途購入する必要がありません。
一般的に、ゲーミングPCを選ぶ場合、コントローラーは別売りで購入する必要があります。
これにより初期投資が増える要因となります。
たとえば、一般的なコントローラーは約5,000円~1万円程度で、これを考慮すると、PS5 Proの価格は実質的によりお得です。
手間いらずのセットアップ
PS5 Proはすぐに使用できる状態で提供されており、煩雑な設定作業が不要です。
これにより、プレイ開始までの時間を大幅に短縮できます。
個人的にもゲーミングPCは所有していますが、何かと設定や動作要件の確認が面倒。
また他のアプリケーションとの競合やリソースの取り合いで動作不安定になるケースもあります。
ゲームの最適化と安定したパフォーマンス
ゲーム開発者がPS5 Proのハードウェアに最適化されたタイトルを提供するため、パフォーマンスが安定し、快適にゲームを楽しむことができます。
前述の通り、PCゲームは最適化不足や他の要因でのゲーム起動が不安定になる可能性があるため、確実に動作するPS5 Proのほうが安定性は大きく勝ります。
独占タイトルの存在
PS5専用の独占タイトルが多数あり、これらをプレイするためにはPS5 Proが必須です。
PC版のリリースや移植タイトルもありますが、全てのタイトルがPC移植されるわけではありません。
またPS4をはじめ過去のソフトもプレイできるため、ゲームタイトル不足を感じることはありません。
さらにPlayStation Archiveにより、レトロゲームや過去の名作も楽しめる環境が整っています。
ハードウェアのパフォーマンス向上
PS5 Proは通常のPS5と比べて性能が向上。
主にGPU(映像を司る部品)が強化され、またアップスケーリング機能も追加されました。
PS5 Pro Enhanced対応のタイトルでは、グラフィックスやパフォーマンスが強化され、より美しい映像で楽しめます。
また、前世代ハードに搭載されていたPS4 Proのブースト機能のように、通常のPS5/PS4ゲームでもフレームレートやカクつきが軽減され、スムーズなプレイが実現されます。
例えば自宅に4K120/hz対応のテレビがあれば、PS5 Proの性能をフルに引き出すことが可能です。
GPU性能の向上
PS5 Proは通常のPS5に比べてGPU性能が強化されており、ゲームプレイのレンダリングが最大45%高速、レイトレーシング(反射や光源処理による映像美)もより高速化されています。
これまで以上に美しいグラフィックスを提供してくれるようになり、これをゲーミングPCで再現しようとすると、とてもPS5 Proの価格内で収めることは難しいと思います。
もちろんゲーミングPCのほうが部品の構成次第でPS5 Proの映像美や性能を凌駕することは可能ですが、コスパの観点から考えると良策とは言えないでしょう。
アップスケーリング機能
PS5 Proには高度なアップスケーリング機能(PSSR:PlayStation スペクトルスーパーレゾリューション)が搭載されており、低解像度のゲームでも高解像度でプレイ可能になりました。
過去のゲームもより美しく高精細に、またPS5用で発売された近年のゲームもより高解像度&スムーズな動きでプレイすることが可能になっています。
PCアーキテクチャに似た設計も有利に
PS5/PS5 Proは基本的にPCと似た構成で設計されており、ゲーム開発や最適化が開発者にとって容易です。
PCであれば多種多様な環境を考慮する必要があり、最適化作業に多くの労力が費やされます。
しかし「PlayStation」という環境は唯一無二。それに合わせるだけで事足ります。
これにより多くのゲームがスムーズに動作し、性能を最大限に引き出すことができます。
長期的なコストパフォーマンスとユーザーインターフェースの最適化
PS5/PS5 Proはゲームを前提とした設計で耐久性も考慮されており、またハードウェアの環境も大きく変化しないので新作ゲームを数年にわたって楽しむことができ、長期的なコストパフォーマンスも良好。
選択や起動画面のインターフェースはシンプルで直感的であり、ゲームへのアクセスが容易です。
複雑な設定を必要としないため、誰でも簡単に使えます。
PCの場合は最新ゲームは高額なパーツ(GPU、CPUなど)や構成を要求することが多く、場合によってはパーツ購入による追加費用が発生する可能性もあります。
PS5 Proのデメリット
カスタマイズの自由度が低いのが最大のデメリットといえるかもしれません。
ハードウェアやソフトウェアのカスタマイズが制限されており、PCでは当たり前のMOD(追加のシナリオやコンテンツ、キャラクターや映像の強化)を楽しむことができません。
例えばMinecraftでは通常、ドットで表現されたブロックの世界ですが、MODを導入することによりとてもMinecraftとは思えない美しい映像を楽しむことができます。
しかしあくまでもMODは非公式が原則(公認もありますが)。
MOD導入によるゲームデータの破損やPCの不具合・破損は自己責任となります。
ゲーミングPCの選択肢
ここまでPS5 Proを選んだ場合のメリット・デメリットを紹介してきましたが、ゲーミングPCの場合も見ていきましょう。
ゲーミングPCは自作以外にもメーカーが販売しているBTO(Build To Order)などを通じてカスタマイズ可能で、価格や性能のバランスを自分で自由に選べると言ったメリットもあります。
ゲーミングPCの構築費用
PS5 Proと同程度のスペックのゲーミングPCを構築する場合、一般的には以下のようなパーツが必要となり、コストは15万円以上になることが多いです。
CPU | 約3万〜4万円 |
GPU | 約5万〜7万円 |
マザーボード | 約1万〜2万円 |
メモリ | 約1万〜2万円 |
ストレージ | 約1万〜2万円 |
電源ユニット | 約1万円 |
ケース | 約1万円 |
モニター | 約2万~4万円 |
コントローラー | 約5,000円〜1万円 |
あくまで大雑把に考えた構成なので正確ではありませんが、CPUとGPUだけでPS5 Proの価格を超えてしまいます。
合計で約15万円以上、場合によっては20万円近くかかることもあります。
さらに自作の場合はこれにOS代(Windowsの場合)も追加され、キーボードやマウスも別途容易する必要があります。
ランニングコストや消費電力
ゲーミングPCは一般的に消費電力が高く、高負荷のゲームプレイ中は300W〜600W程度の電力を消費することがあります。
これにより、月々の電気代が増加する可能性があります。
また、これはPS5 Proでも同様ですがインターネット契約費用も必要です。
快適にオンラインゲームをプレイするためには高品質のインターネット接続が必要で、光回線などのインターネット契約費用が月々約4000円〜6000円かかることが一般的。
これらのランニングコストを考慮すると、ゲーミングPCのトータルコストはPS5 Proよりも高くなる傾向にあります。
ゲーミングPCのメリット
カスタマイズの自由度が高く、自分のニーズに合わせたハードウェア構成が可能。
ほぼ無限といってもいい自由度があり、拡張性もPS5/PS5 Proの比ではありません。
将来的にパーツのアップグレードも容易で、最新のゲームやアプリケーションに対応できることが最大の魅力とメリットですね。
またSteamやEpic Gamesで販売されているソフトも豊富で安い傾向にあり、頻繁にセールや無料ゲームも配布されています。
特にAAA級のビッグタイトルも無料配布されることがあり、ゲームソフト代金だけで考えると家庭用ゲーム機よりお得かもしれません。
ゲーミングPCのデメリット
PS5 Proに比べ、初期コストが高くなる可能性があります。
同スペック程度のPCを自作またはBTOで購入する場合、その価格はほぼ間違いなくPS5 Proより高額になります。
複雑な設定が必要
OSのインストールやドライバーの更新、各種設定が必要で、特にゲームによっては個別の設定を調整する必要があります。
相性問題のリスク
パーツ同士の相性問題が発生する可能性があり、その解決には専門的な知識が必要です。
普段からPCを自作する人や慣れている人なら問題ありませんが、初心者には敷居が高いのも事実。
場合によってはゲームプレイの時間よりも問題解決の時間の方が長かった、なんて場合もあります。
維持管理の手間
定期的にドライバーやソフトウェアの更新が必要で、特にGPUやゲームのパッチ適用が手間になることがあります。
トラブルシューティングが必要
問題が発生した際、原因を特定し修正するのに時間がかかることがあります。
例えばWindowsの設定によりゲームが一部バグる、起動しない、アップデートの影響で不安定などなど。
ゲーミングPCには問題発生から解決は付き物ですが、これをどう捉えるかでストレス度合いは大きく変化します。
個人的には問題解決もPCゲームの一部感があって苦ではないのですが、PS5のような家庭用ゲーム機の安定性がうやらましく感じるときもあります。
やりたい時にスッとゲームができるのは魅力です。
特にイベント開催中の時間帯に不具合が発生しゲームがプレイできないとなると、ストレスMAXです。
過去にPCでログインできないからPS5でログインした、なんて経験も実際にあります。
冷却と騒音の問題
意外と音って煩いです。
ゲーミングPCは高性能なパーツを使用するため、冷却ファンや水冷システムが必要となることが多く、その分騒音が増える場合があります。
また定期的な内部清掃も必要で、放置しておけばファン全開の爆音状態に。
これはPS5でも同様ですが、騒音はPCのほうが大きい傾向にあります。
ゲームによるパフォーマンスのばらつき
ゲームによってはハードウェアの性能をフルに活用できないことがあり、最適な設定を見つけるまで試行錯誤が必要です。
これを楽しめる方はいいのですが、設定なんていいからメーカーが設定したオススメ設定でプレイしたい!って場合は家庭用ゲーム機に軍配があがります。
ゲーミングPCといえど、あくまでPC。
多様な環境に合わせた機械なので、ゲームを作る側もプレイする側も、どうしても最適化には時間を要してしまいます。
結論:機能面やコスパの観点からも、PS5 Proのほうが有利
あくまでTechMuddy的な視点と考えで恐縮ですが、PS5 Proは11万9,980円という価格で、ゲーミングPCに対して高いコストパフォーマンスを誇ります。
PS5 Proは手間いらずで快適なゲーム体験が得られる一方、ゲーミングPCは設定や最適化に手間がかかり、初期コストも高くなる傾向にあります。
ランニングコストも考慮すると、長期的な安定性や独占タイトル、さらには過去のPS4タイトルやPlayStation Archiveの活用を含めた場合、PS5 Proは賢い選択肢だと思います。
※本記事内の動画、画像はPlayStation®5 Pro公式サイト及びPlayStation®5 Pro Reveal Trailer動画、Steam、NVIDIA、JBuildsより引用・掲載しています。