「ついついやり過ぎちゃった」なんてことは生きていれば誰にでもあるわけで。
軍事の世界でもそれは例外ではないようです。
今回は冷戦時代の超大型兵器、『M65 280mmカノン砲』についてご紹介します。
この巨大なカノン砲は、まさに「巨砲」の名にふさわしい存在感!
ただ巨大なだけではなく、なんと核兵器を発射可能。
敵の陣地や施設に向かって、大砲で核兵器を撃ち込める代物です。
ついついやり過ぎちゃった、クレイジーなスペックと歴史を見ていきましょう。
M65 280mmカノン砲の基本スペック
まずは、このカノン砲のスペックからご紹介します。
口径:280mm(11インチ)
全長:砲身だけで約12メートル
重量:なんと約83トン!
最大射程:32kmも飛びます
弾薬:通常の砲弾と、核出力約15キロトンのW9核砲弾
その巨体から放たれる一撃は、まさに破壊力抜群です。
歴史的背景
M65 280mmカノン砲は1950年代にアメリカが開発。
冷戦初期の戦術核兵器の一環として設計したようです。
当時のアメリカ軍は、前線での核攻撃能力を高めるために、この巨大なカノン砲を採用。
1953年5月25日にはネバダ州で行われた「グラベル・ショット」と呼ばれる実験で、M65からの核砲弾発射に成功しています。
この実験は、戦術核兵器の実用性を証明し冷戦時代の抑止力として重要な意味を持つとされました。
動画で見る『M65 280mmカノン砲』
実際にM65 280mmカノン砲の核砲弾発射実験映像がYouTubeで公開されています。
とても大砲とは思えない迫力と破壊力。
心してご覧ください。
運用とその後
M65カノン砲は実戦で使用されることはありませんでしたが、冷戦期の抑止力として大きな役割を果たしました。
しかしミサイル技術の進化により、1960年代には引退。
現代のミサイルシステムのほうが、より迅速で機動力があり、戦場での運用が容易であることが主な理由です。
M65 280mmカノン砲の遺産
現在、このカノン砲のいくつかはアメリカ国内の博物館に展示されています。
その巨大な姿は、冷戦時代の軍事技術と戦略の象徴として、多くの人々に驚きと感動を与え続けています。
M65 280mmカノン砲は単なる兵器ではなく、歴史の一部として重要な存在です。
「昔はこんなビックリ兵器があったのか」なんて思えば、冷戦時代の軍事戦略に対する理解も深まりそうです。
※本記事内の画像はNeural Networks and Deep LearningのYouTubeアカウント動画よりスクリーンショットを掲載しています。